筋肉が“NO”と叫んだら、私は“YES”と答える
こんなブログタイトルですが小林よしのりは別に好きじゃないんですが、むかしゴー宣で、よしりんが当時付き合っていた美大生に自分のたるんだ体型を馬鹿にされて「この体は長時間イスに座って物書きをするのにもっとも適した究極の機能美なのだ!!!それが分からんならお前に美的センスはない!帰れ!!!」みたいなこと言って振ってやったという不愉快な話があるんですが、この主張はなかなか当を得ていて、アスリートはそれぞれの専門に応じた機能的な体型がもっとも美しいんです。
極論、究極の肉体美を競うボディビルダーの筋肉でさえ、それが美しいのはボディビルディングという競技の中だけでの話。
例えば、あんな腕、肩、太腿をした格闘家が仮にいたとして、それらはとても実用的な代物には見えないし(“筋肉の実用性”については後述)
競輪選手ならデカい大殿筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋、サッカー選手ならキレキレの腹筋群(ベンチプレスばかりやるサッカープレイヤーは張っ倒したくなる)なんかが“機能美”という言葉がピッタリはまる
アームレスラーの異様に発達した腕やバスケットボール選手の細くもメリハリのある肉体なんかはその極北。
競技の数だけ「美しいカラダ」があるのです。まさに「みんな違って、みんないい」のです。
■ボディビルダーの筋肉は使えない?
とはいえやはり究極の肉体美を追い求めるボディビルダーの肉体美こそ究極。
個人的に、ガリガリはデブと同じくらいダメだと思うんですが、クソガリの人に多いと思うんですが、ボディビルダーの筋肉を「実用的でない」などと平気でいう人がいますが、そういう人に限ってインターネットで鎖骨の自撮りを晒してチヤホヤされたがったりしますが(鎖骨は大胸筋上部と三角筋前部で隠すものだ馬鹿野郎)、何がどう実用的でないのか、そもそも実用的な筋肉とはいったいぜんたいなんなのか、小24時間(こにじゅうよじかん)問い詰めたいです。
陸上競技短距離選手の筋肉が早く動くように
自転車の長距離選手の筋肉が長く動くように
ボディビルダーの大きな筋肉はボディビルディングという彼らの専門競技においてこの上なく実用的なのです。
これもまた“機能美”のひとつの形なのです。
▲“近代ボディビルディングの父”ユージン・サンドウ。Mr.オリンピアに授与される「サンドウ像」の由来になっています(ほぼこんなポーズ)
■オーストリアン・オークの伝説
伝説的ボディビルダーにして大俳優、そしてカリフォルニア州知事を経て、再び俳優としてキャリアを更新し続けるアメリカンドリームの体現者、アーノルド・シュワルツェネッガー。
ボディビルダーとしては規格外の骨格に常識はずれの筋量を搭載した“オーストリアの樫の木”は、その成功のすべてをワークアウトのみによって掴み取ったのだ。
そんな彼のもっとも魅力的とされるボディパートは「上腕二頭筋」。
普遍的な力強さの象徴、力こぶである。
とくに右の上腕二頭筋の鋭い盛り上がりは、その後の世代のバルキーな選手たちにも真似のしようがない彼の遺伝的な優生といえる。
彼自身もそれを武器として認識しており、彼のグラビア用ポージングの多くが右の上腕二頭筋を強調したものだった。
悲しいことに人の体つきは遺伝に左右される部分が大きいので、どんなに努力したところでどうしてもカッコよくならない人だってたくさんいる。
生まれながらにしてこの上なく恵まれた身体を与えられたアーノルドにも、じつはひと目見てわかる重大な弱点があるのだが……
それは腹直筋である。
6つに割れた腹筋、シックスパックという言葉がカタカナ語として根づきつつあるが、
彼の腹直筋は上4つしか割れてない!
ヘソ周りの皮下組織で覆われている可能性もあるが、
一般に知られる限り、彼の腹直筋は上から3段目が縦に(少なくとも明瞭には)割れていないのだ。
腹筋群の形状は個人差が出やすい部位だが、これはプロとしてはなかなかの痛手といえる。
まあそれを補って余りあるほかのボディパートの魅力が彼の魅力的な魅力なわけだが……。
▲この盛り上がり
▲この盛り上がりである
▲ちなみに手のひらを内側に向けた状態だとこのように上腕二頭筋がキュッと盛り上がるのだが
▲手のひらを外(下)に向ける(内転する)と上腕二頭筋が描くカーブは緩やかになる。
これをちゃんと理解していない漫画家、イラストレーターが多いのでもっと勉強してほしい。腕撓骨筋の起点もわかってない野郎が多い。
■今日の空耳:リッチー・ヴァレンス『ラ・バンバ』
RITCHIE VALENS-LA BAMBA - YouTube
0:19から「ヤリマンヤリマン♪ あーヤリマンヤリマン♪」と歌っています。